時間と角砂糖。
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ーーー知らないからこそ、その感覚が何なのか
すぐに理解することができたのかもしれない
真っ直ぐに、私に向けられた殺意は痛いほどに肌に突き刺さる
後悔と
絶望と
恐怖
そんな、出口の見えないような状況の中で私が一番に思い浮かべたことは・・・・・
ーーー大好きな姉さんと、義兄さんのことだった
−−−−「・・・・っ」
私のすぐ後ろ、後頭部に突き刺すようにして当てられた“それ”が何なのか理解できたときにはもぅ手遅れだった
「あんた・・ブラッドの敵だな?」
静かな音とは裏腹に、決定的な殺意のこもった声
それを聞くと同時に、私の体は硬直して唾ひとつ飲み込むことすら許さなくなる
「ねぇ兄弟、このお姉さんをやったらどれだけの休みがもらえるかな」
「給料もたくさんもらえるといいね、兄弟」
私の目の前では、楽しそうにそんな話をする双子の男の子達の姿が
その手には、彼らの身長より大きいであろう斧が握られていた
(ど・・どうしよう、何を言ったって
ここは、マフィアの本拠地なのよね)
どうやったって
逃がしてもらえるとは・・思わない
今すぐにでも、私の後ろにあるトリガーがひかれて
その中にある弾が私の脳天を直撃するかもしれないのだ
「ま、まってエリオット、優愛は!」
アリスが必死でそういっても彼らは聞く耳をもたない
そして
「わりぃが、ここであんたには死んでもらう」
その言葉とともに
彼は掛けたトリガーに力を込める
「やっ・・・・・」
やっとでた、言葉も虚しく
パァァアアン
その銃口から、すべての終わりとも言われる
音が鳴り響いた