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□under the sun 2
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三井はすぐに見つかった。
他校生と喧嘩して近くの総合病院に入院していた。喧嘩なんか強くないくせに何やってるんだ。不良ぶって何のつもりだ。

あたしの足は、迷わず病院に向かっていた。



お見舞いに行くわけではなかったけれど手ぶらで行くのもなんなので、ブラックコーヒーをひとつ、買った。
以前学校で見かけた時、三井が飲んでいたのがそれだった。

スポーツドリンクばかり飲んでいた三井がコーヒーを飲む姿に変な違和感を覚えたのを、自販機のボタンを押しながら思い出していた。




三井の名前のネームプレートが入った四人部屋の病室を覗くと、他の患者さんはみんな出払っているようだった。
三井は一人でベッドに横になって窓の外を眺めている。
頭には大きなガーゼが貼られ、その上からネットのようなものがかけられている。更に顔にもガーゼ。
右足が天井から釣られているという事は、骨折でもしているのだろうか。

三井の仲間が誰もいなかったことには少し安堵したけれど、あたしは、病室に入るきっかけを掴めずにいた。
今の三井をどうにかしたい、とにかく会って話がしたいと思って来てみたはいいが、一体何を話そうというのか。


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