long

□under the sun 1
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アイツがバスケットから離れて一年と半年が過ぎた。

会いに行く事を、決めた。




三井が膝を壊した当時のあたしは、真面目なだけが取り柄の(という程真面目だったわけではないけれど)言うなればただの女子高生で、三井の痛みを理解するには幼すぎたし、三井を説得するには無力すぎた。

ただ、日に日に荒れていく三井をどうすることもできずに呆然と眺めていた。



このままじゃいけない、何とかならないのか、といつも思っていたけれど、結局あたしは何もできずにいた。

でも、いよいよ三井の素行が悪くなり、まれに見かけるだけになってしまった三井の髪が見かけるたびに伸びていき、中学の同級生でさえも三井に全く寄り付かなくなった頃に、あたしは三井に会いに行こうと決めた。

ほとんど学校に来なくなった三井がどこにいるのか皆目見当もつかないし、三井がつるんでいる人間のことを考えると正直足がすくんだけれど、それでもあたしは動かずにはいられなかった。このまま放っておくなんてそんな事できないと思った。



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