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□under the sun 1
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あたしと三井は、中学校の同級生だった。



当時三井はバスケ部の、あたしはバレー部のキャプテンだった。競技こそ違えどあたし達には共通点がたくさんあった。
キャプテンであること、競技を愛し、チームを愛し、それからチームメイトを愛していること、そして自分自身に自信と中学生なりの誇りを持っていること。

親しくなったのは二年で同じクラスになってからだったけれど、あたしにとって三井は、キャプテンとしての悩みを相談しあったり、チームをまとめるにはどうしたらいいのか議論したり、お互いのチームの成績を競ったり、それから、テスト前に勉強合宿をしたこともあったし、お互いの恋の相談なんかをしたりもした。時にぶつかることも当然あったけれど、本音で語り合える貴重な友人だった。お互いに心を許しあっていた。そう思って疑わなかった。

今にして思えばあたしの独りよがりだったのかもしれないけれど。




高校は、三井は安西先生を、あたしは前キャプテンを追って迷わず湘北に行くと決めていた。
三井にもあたしにもスポーツ特待生の話がいくつか来ていたけれど、湘北以外の高校に進学する気にはならなかった。

中三の秋、進路指導の教師と担任に二人そろって呼ばれ、本当にいいのかと意思確認された時には、声をそろえて「はい」と返事をして、顔を見合わせて大笑いした。

四月、湘北は男子バスケ部も女子バレー部も大して強くなかったけれど、あたしたちはそれぞれ自分のチームで全国制覇することを目標に、湘北の門をくぐった。



そして初めての夏。

あたしはレギュラーとして大会に出場し、女子バレー部は学校創設以来初めて、県でベスト4に入った。

三井はある日突然バスケ部からいなくなった。


…to be continued


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