修行
□04.音楽室
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最近、紫音先輩の元気がない。
紫音先輩とは、たまたまサボりの時に出会って、それから音楽の趣味があい、サボってる間は一緒にいることが多くなった。
紫音先輩は、部長のクラスのとある人が好きらしい。でも最近、その人に彼女がいることを知って、自分の恋が報われることはないけれど、どうしても諦めがつかないと俺にふとこぼした。
そう、言われた時、少なからず先輩に好きという感情を持ち始めていた俺にとって、そのふとしたぼやきは、精神的にダメージを与えるには十分だった。
「(紫音先輩…)」
1か月。
先輩に会わないようにしながら、あるモノを作った。
そっと、いつもの音楽室の定位置に置いて、その場を後にした。
「(紫音先輩、早く俺の気持ちに気付いてくださいっす…)」
《END》