修行
□10.流れ星に願い事
1ページ/3ページ
星の夜に願うは貴方の事
貴方は何を願いますか?
《流れ星に願い事》
ふと、寒さに目が覚めた。
隣に眠っているはずのベルの姿がない。
『べ、ル…?』
「シシシッ。紫音、こっち」
不安な面持ちで辺りを見渡すと、独特な笑い声と優しい声音が窓のほうから聞こえてきた。
窓のほうへと視線を向けると、窓辺に立つベルの姿が。
手招く彼のほうへと近付くと、手を引かれ彼の腕の中に。
『ひゃっ!』
「シシシッ紫音あったけー」
『ベルが冷たいだけだと思う…』
「ってか、外見てみ」
『流れ星…?』
「そ、綺麗だな…ん?紫音?」
ふと、静かになった紫音の顔を覗き込むベル。
紫音は、流れ星を見ながら何も言わず、静かに涙を流していた。
.