リクエスト

□普段苦労してる奴ほどキレると恐い
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「これが今日の分の書類だ」


と言って出されたのは、机を半分の山程の書類。


「・・・・日に日に増えますね、コレ」

「・・・・うむ、貴様が事務処理に長けているからであろう」


ジロッ、と隊長の机を見れば二つくらい束になっていれど、俺より圧倒的に少ない書類量。
・・・これも反比例する様に日に日に減っていっている。


「今日は午後から私はおらぬ故、隊長印は貴様に渡しておこう」

渡された隊長印。
・・・・つーかこれって機密物だし隊長が持ってなきゃ意味ないんじゃ・・・。

「・・・・最近、やたらと居なくなりたがりますね」

「うむ、ルキアが私を呼んでいる気がしてな」


朽木隊長の最近の日課、ルキアの周辺偵察

出勤して来た席官が
六番隊終わったなぁみたいな顔して出て行った。
(隊長が自分から来たとは知らない)ルキアもルキアだか、隊長も隊長だ。
妹との溝が埋まって嬉しいのは分かりますが勘弁して下さい。
そしてこれ全部やっても俺の給料は増えないし、
最近良く鉢合わす朽木隊長と更木隊長が戦った後の修理費に当てられる。
おかげでこの二週間休暇も取れない。(=一護に会えない)


はー、とため息を吐いて書類の山の一つを取って机に付く。

(副隊長じゃなくても朽木隊長に挑めたっけなぁ・・・・)

最近、本気で副隊長止めようかと考える今日この頃。

















――――――――――




書類を捌くのは好きな訳では無かったが、嫌いでもなかった。
五番隊にいた頃は新人だから鍛錬より雑務の方が多かったし、
十一番隊にいた頃は、(隊長と副隊長がああだから)一角さんと弓親さんに捕まって手伝わされていたし、(一時期山三つ分あった)
悲しき事に瀞霊廷では事務処理能力第三位である。(第一位伊勢 第二位吉良と瀞霊廷通信記述)
今では事務処理している夢を見る程だ。



「・・・・そういや最近鍛錬してねぇ!!!」

思い出してみれば、ここ一週間鍛錬する時間が出来ていない。
ついでに現在昼十時。すでに横には処理済みの書類が20センチ分。


「総隊長に抗議したら残業代出るのか・・・・?」

「今のところ三、五、九番隊長達の抜けた穴優先ですから無理かと」

ああ、そういや隊長たちの分まで捌いてるんだっけ、吉良達は。
意外と逞しい三人を思い出して唸る。最優先されるならそっちだよなー・・・・。




「あ〜〜!恋次此処にいたのね!」

「乱菊さん」


荒々しく戸を開けて入って来た乱菊さんに頬が引き攣る。
嫌な予感がして来た。乱菊さんの手には束の書類。


「何か用ッス「私今から甘味処の割引セール行くからこれ処理しといてね!よろしく!!」え!?ちょ、乱菊さん!?」


瞬歩で消えた乱菊さんに、怒りのパロメーターが50から60に上がる。
他隊の書類俺が処理しても意味ないでしょう!?

「・・・・」

ダンダンダンダン!

Σビクッ!

肩ビクつかせた三席を無視して足音荒く机に近寄り、机に書類を置いた。
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