リクエスト
□祝!一護誕!
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突然だが、
阿散井恋次は現在人生で一番悔いている。
机に頭を伏して、
時々唸り声か何かわからない声を上げ、完全に生ける屍となっていた。
その隣では上司の朽木白哉と幼馴染のルキアが、白い目で見ていた。
「・・・馬鹿だ俺・・・・」
「「ああ、馬鹿だな」」
「うぐッ!」
今回完全に味方ではない(いつもそんな感じだが)二人に恋次はまた唸り声を上げ、突っ伏した。
この三人の空気がここまで重い理由、
それは今日の昼まで遡る。
数か月に一度の定期報告のため死神代行、黒崎一護は尸魂界に来、
その帰りに十三番隊に来ていた。
「「「「「「誕生日おめでとう!!!」」」」」」
ルキアにぐいぐいと押されて隊舎の扉を開けた先、
一護を待っていたのは賑やかなクラッカー音と、馴染みの深い人たちだった。
「・・・え?あ、え?」
「おい一護!いつまで呆けておる!」
「えっと・・・・誕生日・・・って俺?」
「他に誰がおるのだ!」
そういえば今日は七月一五日。
つまり自分の誕生日。
壁には『誕生日おめでとう!』とポップに書かれ、テーブルの上には色とりどりの料理(中には食べれるのか疑問に持てるのもあったが)と大きなケーキ。
改めて見渡せば、
冬獅朗、乱菊、雛森、吉良、檜佐木、京楽、浮竹、やちる、一角、弓親etcetc・・・白哉までいる。
「さあさあ!みんな!
それぞれ用意した誕生日プレゼント一護に渡してね〜♪」
乱菊の声を皮切りに全員が一列に並び、プレゼントが渡された。
そして全員が渡し終える頃には、一護はプレゼントの箱に埋もれて見えなくなっている程だった。
中には金平糖、チョコの詰め合わせ、髪飾り、チョーカー、高級化粧水、木刀、着物、巨大なウサギのぬいぐるみ、朽木家所有の店が全て無料になる木板etcetc・・・・。
「・・・ありがとな、みんな・・・!」
気を抜くと泣きそうになる
今までよりも一番嬉しい誕生日だ
「・・・・ところで、阿散井は?」
誰が言ったかはわからないが、その一言で全員が気付く。
そういえばいない。