リクエスト

□破壊大帝の間違った知識
1ページ/2ページ


拍手連載番外編(かもしれない)















「ヴァレンタイン?」

「ええ、知らない?」


小僧と一緒にやってきた小娘(カーリー)の言葉にワールドワイドウェブにサーチを掛けた。
手の平に乗っている物好きな小娘は、俺様からの返答を待っている。
本当に物好きな娘だ。


「番に物を贈る祝日だな」

「ううん・・・間違っては無いかな。
ちゃんとした答えは恋人や大切な人、お世話になった人に感謝のプレゼントを贈る大事な日。
日本では恋人にチョコレートを贈ったりするんですって」



日本、と聞いて僅かに反応したが気を取り直した。


「贈ってどうするというのだ。謝礼は貰えるのか?」


おそらくその文化は俺様が死んだ後にできたものだ。
大体検索結果には女が男に物をやる風習というのが出ている。
俺は男だから関係ない。

「大事なのは謝礼じゃないわ。大切な人たちに喜んでもらうのが大事なの」

「ほぅ?貴様の場合はあの小僧か?」

「ええ、勿論!」


満面の笑みを浮かべる小娘に、思案する。


「物をやる以外に表現の方法は無いのか?」

「サプライズで、喜ばせるために行動を起こす人もいるわね」

「・・・・・・・・さぷらいず」


妙に幼稚な発音で言われた言葉を聞いたカーリーは、きょとんとしたが、
すぐに変わったあくどい彼の顔に、少し困った顔をした。


―――もしかして、余計なこと教えちゃったかしら・・・・





































ヴァレンタイン当日




男からすれば待ちに待った聖日は、軍部も例外ではなかった。某大佐なんて愛妻と愛娘に貰えると考えているのか、スキップしながら移動している。
いつもとは違う浮き足立つ人間達を、トランスフォーマー達は疑問に思い、
一番初めに聞いたのはオプティマスだった。

「エップス、今日は皆浮き足立っているようだか・・・何かあるのだろうか?」

「ああ、今日はヴァレンタインだからな!」

「ヴァレンタイン・・・」


エップスから言われた単語を素早くサーチにかけるトランスフォーマー達。
数泊置いて、そこら中から電子音が鳴った。


「男性が恋人から菓子を貰える祝日か。」

「そうそう。だから野郎共は浮かれてるんだろうよ。」

そういう俺も今朝嫁さんから貰ったけどな!と笑うエップスに「成る程」と相槌を打つオプティマス。

その時、オプティマスを含め、トランスフォーマー達の聴覚センサーに
NEST隊員達のある会話が聞こえた。


「メガトロンさん何処にいるか知らないか?今日中に届けるデータがあって・・・」

「メガトロンなら今日は厨房にいるぜ。
なんでも『今日中に作らねばいけないものがある』とか・・・」

「え、もしかしてチョコレートとか?」

「・・・いやいやまさかー!」

「そういや今日はツインズも見かけないな・・・」



ナイナイと首を振る隊員達の話に聴覚センサーを最大にして聞くトランスフォーマー達。
皆外見なら立っているだけなので誰も「盗聴だろ」とツッコむ者は居なかった。




バレンタインに厨房で作るもの






『・・・欲しいならくれてやる。』







彼らのブレインに浮かんだのはチョコレートを赤い顔で渡す破壊大帝だった。
その後、人間より人間臭い彼らは、
それぞれ浮かんだイメージに加工していくか、必死に消そうと格闘している。


そんな中、渦中の人物が事件の中に飛び込んできた。












「貴様等、ここにいたのか」

「め、メガトロン様!」


現れたメガトロンに、真っ先に反応して傍へ寄ったのは、
ブレイン内のイメージと格闘していたメガトロン様大好きスタースクリームだった。


「おお、スタースクリーム。
お前に渡したいものがあるのだ」




「!!!?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ