望んだ事はB

□望んだ事は
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「私が昔から好きだった・・・忍たまはね!」

「え?」

そういえば、聞きたかった乙女心。

「「「えええ???」」」

思わず反応してしまう、うぶな忍たまの男心。

「だ、誰?」

代表して七瀬が問うと、るるるが笑った。
真上からみんなを見下ろすように。
なんとも言えない状況。

「ヒントは一年は組!」

嬉しそうに大声で叫ぶ。
だが、聞いている下の人間は、目を丸くして驚いている。

「「「「えええ?本当に〜??」」」」

喜んでるのは、絞りこまれた彼らだけ。
そして、自分かもしれないと、ポジティブシンキング。

「まっすぐて、不器用で」

るるるの口からは、一つ一つ特徴が語られるが、

「お人好しで、他人の為に動いてばっか」

これでは、一年は組全員該当する。

「泣き虫なくせに、強がりで。
弱いくせに、誰よりも強い・・・」

「あ・・・」

乱太郎が口を開けた。
そして、

「それって・・・。
へへへ。私、本気で焦ったのに!」

照れながらも、納得したようだ。

「まあ、そりゃそうだな」

きり丸も気付いたらしい。

「僕も分かった〜!」

しんべヱも手を上げだ。

一年は組の笑顔。
るるるが見回す。

そして、

「松浦七瀬だよ〜!」

叫ぶ。

「「「やっぱり!」」」

同時にみんなも笑う。
誰もが異論はないとばかりに。

不思議な気分かもしれない。
七瀬は思う。

自分は少し前までは、この世界のいわゆるキャラクターではなかった。
復活してから、ふいに出来上がった設定。
昔からいたわけではないのに、昔からいた気さえもする。

きっと、そんな事がなかったら、るるるには別のお気に入りがいたに違いない。
いつの間にか、すり変わった記憶。

「いいのっ!七瀬!
今はこれが私の真実。
胸を張って言える!」

私が一番好きな忍たまは、松浦七瀬だと。

「原作者より、知ってる私がね!」

「るるる・・・」

「ちなみに、七瀬のカップリングは」

「それはいいっつうのっ!」
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