望んだ事は③
□キャラ設定
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「七瀬？」
明日からまた事務の仕事が何とか出来そうなレベルで、今日の作業は終了となった。
月が綺麗だったが、それを愛でる体力も残ってはいない。
疲れた体を前のめりに歩いていると、
前にはその人。
「るるる、お疲れ！」
幻ではなく本当の笑顔。
月の明かりにより、現実に照らされているようだった。
嬉しくなって、るるるは駆け寄った。
なけなしの最後の体力。
「どこいってたの？
部屋で休んでると思ってたのに」
「学園長のとこだよ」
「呼ばれたの？」
「そうじゃなくて、色々あったからね」
「・・・確かにね」
今となっては笑ってもいいだろうと、二人は顔を見合わせてから小さく笑った。
月が地面に映し出す、二人の並んだ影。
「へえ、小松田さんがね～」
「萌え～ってより、心臓が飛び出ると思ったよ」
事務室でのあの事を、くの一長屋への帰り道の話題にした。
るるるにはちょっとした話のつもりだったのたが、
「意外とお似合いなんじゃないの？」
いらぬネタを提供してしまったようだ。
「そういやさ、前も聞いたけどるるるって誰が好きなの？」
七瀬の目が、ガールズトークに輝いた。
「みんな好き！」
「知っている。でも、イチオシは？」
あまり知らないが、腐女子として活躍していたらしい。
それならば、そういう人物がいるはずだ。
「カップリング？」
「いやいや、ノーマルで」
「・・・ふふふ」
急に笑いだしたるるる。
俗に言う、思い出し笑いのようだ。
「な、何？」
思い当たる節はないが、立場逆転あせる七瀬。
るるるに目を向けると、こっちをじっと見つめている。
そして、
「設定で、思い出したんだけど！」
「設定・・・？」
なんのことはない、話が横にズレただけだと安堵する。