望んだ事はB

□野生の・・・?
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いつも笑いの耐えないところが大好きだった忍術学園。
あの事件によって、そこから笑いが消えた。

笑える筈がない。
いくら彼らでも。
そして、自分も。

誰が悪いわけでもない。
いや、悪いのは自分。

勝手にこの世界に現れて、いろんな事にみんなをまき込んで。
挙げ句に、辛くなってこんなお粗末。

みんなの笑顔を消したのは自分。
みんなの『らしさ』をなくしたのは自分。

『本当にお前は強がりだな!
もうやめろよ!』

昨晩の巧の言葉が脳裏を過る。

るるるの頭が混乱している。
いや、彼女の頭が答えを探し始めている。

『いつも笑っているのが、彼らのらしさ?』

『いつも笑っていたから、好きだった?』

顔を両手で押さえる。

「お、お前、大丈夫か?」

牧之介がるるるに近付き、肩に手を乗せ覗きこむ。

「牧之介・・・」

こんな優しい一面があるとは思わなかった。
でも、ないとも思ってはいない。

「ありがとう」

「いや・・・な、何もしてないし」

頬を染め、慌て出す。

「うんにゃ、答えを見つけさせてくれた」

「答え?」

「うん!それにこれから頼む!」

「頼む?・・・何を」

にっこり笑うるるる。
もうそこには迷いはない。

「私を忍術学園に連れてって!
お願い!天下の剣豪の・・・野生の牧之介!」
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