望んだ事はB

□野生の・・・?
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「誰だ、お前?」

米粒を頬につけキョトンとしたが、それは一瞬だけだった。

「流石は、天下の剣豪花房牧之介!
本人の知らぬところで、有名だ!」

喜んでいる。

「だが、私はそのすごい人物ではなく、そなたの言う通りの野生の牧之介だ!」

そして、わざとらしかった。

「相変わらずだね」

別に咎める気はなかったが、そのお気楽な性格に少しだけ苛つく。

「はい、ちょっとごめんなさいね」

牧之介の横を通り、水桶まで歩く。
蓋を開け、柄杓で掬いあげると一気に飲み干した。

「おいっ!無視かよっ!」

後ろで何か言っているのだが、正直興味がなかった。
果して、もっと前に会っていたら違ったとも言い難い。

『あんまり、知らないんだよね。牧之介のこと』

いっつも人の迷惑考えなしに、自分勝手に生きている自称剣豪。
無駄に元気でパワフルで、他のアニメでいたら全然好きじゃないタイプ。

でも、忍たまキャラだから、何故か嫌いになれなかった。

『それが、牧之介らしさ』

そう思っていた。

「・・・らしさ?」

急に胸を突いた言葉。
無性に気になった。
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