望んだ事はB
□野生の・・・?
2ページ/3ページ
「誰だ、お前?」
米粒を頬につけキョトンとしたが、それは一瞬だけだった。
「流石は、天下の剣豪花房牧之介!
本人の知らぬところで、有名だ!」
喜んでいる。
「だが、私はそのすごい人物ではなく、そなたの言う通りの野生の牧之介だ!」
そして、わざとらしかった。
「相変わらずだね」
別に咎める気はなかったが、そのお気楽な性格に少しだけ苛つく。
「はい、ちょっとごめんなさいね」
牧之介の横を通り、水桶まで歩く。
蓋を開け、柄杓で掬いあげると一気に飲み干した。
「おいっ!無視かよっ!」
後ろで何か言っているのだが、正直興味がなかった。
果して、もっと前に会っていたら違ったとも言い難い。
『あんまり、知らないんだよね。牧之介のこと』
いっつも人の迷惑考えなしに、自分勝手に生きている自称剣豪。
無駄に元気でパワフルで、他のアニメでいたら全然好きじゃないタイプ。
でも、忍たまキャラだから、何故か嫌いになれなかった。
『それが、牧之介らしさ』
そう思っていた。
「・・・らしさ?」
急に胸を突いた言葉。
無性に気になった。