望んだ事はB

□終結と集結
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「留さん」

「ああ」

「・・・」

伊作と留三郎、そしてきり丸は足を止めた。
学園まで数分といった距離になった頃、聞こえてきた爆音。

「な、何だ??」

きり丸には分からない状況。
そして、留三郎達には、

「かなり攻められているな」

分かってはいるが、予想を越えた状況。

「囲まれている。結構な数だね」

敵の後ろから、気付かれないように気配を殺し、観察している。

「みんな・・・」

伊作の心は不安だった。
あんな激しい攻撃で無傷な筈がない。
きっと後輩たちは、怪我をしている。
そう思ったたけで、早く学園の中に入りたい。

「乱太郎、しんべえ・・・」

きり丸が親友の名前を無意識に呼んだ。

伊作も留三郎も、その名前に胸が締め付けられる想いがした。
共にそれぞれの委員会の一年生達だ。

『無事でいてくれ』

それだけを願う。


ドカーーーン!!

再び大きな爆音。

同時に現れたのは、

「伊作、留三郎、きり丸。
やれやれ、追い付いた」

闇から舞い降りた、黒い影のプロ忍三人。

「山田先生」

後は、大木雅之助と利吉だ。
その差僅かに遅れて、

「文次郎、小平太、長次!」

合計六人が追い付いた。

「よし、これなら」

行ける。

留三郎が文次郎に目をやると、文次郎も無言で頷いた。
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