望んだ事はB
□襲撃
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「三郎次、タカ丸さん!
俺は行くから、絶対ここを死守するんだぞ!」
「わ、分かりました!」
「気を付けて!」
火薬委員の後輩に託し、敵と闘いに向かうのは、火薬委員会委員長代理、兵助だ。
庭を横切り、押し寄せる曲者の気配の元に向かう。
「あっちだ!」
横に並んだのは、八左ヱ門。
そして、同時に違う方向にジャンプした。
地面には手裏剣が刺さる。
「ぐはっ!」
血飛沫が上がった。
バサリと倒れたのは侵入者。
後ろには兵助の姿。
それを間近で見た曲者の相方がビックリしていると、
「余所見していいのか」
聞き取れたかは、本人に聞いてみないと分からない。
が、ハチの一撃はその間を与えてはくれなかった。
声もなく、地面にひれ伏す。
「数ばかりいても、意味はない!」
二人は躊躇すら残さず、その場を後にした。