望んだ事はB

□前向きな捕虜
2ページ/2ページ

「こらこら、山ぶ鬼。
捕虜に勝手に話してはいけないよ」

暗闇から声がした。
足音がしなかったから、ドクたまではない。

「誰だ!」

「魔界之小路先生!!!やったあ!」

答えるのより早く、小躍りしたのはるるる。
隣でこけているきりちゃん。

「それにしても、緊張感のかける人ですね」

「いやあ、それほどでも」

「ほめてないって、るるる!」

魔界之小路先生はるるるときり丸を見つめると、

「困っていることはありませんか?」

優しく声をかけた。
その矛盾にるるるはクスッと笑う。

「・・・」

「魔界之小路先生?
どうしたんですか?」

山ぶ鬼が腕を揺する。
彼は固まっているのだ。
頬を赤くして。

「え、?あ、大丈夫!」

ずれてはいないサングラスを整え、ぎこちなく歩き出す。

「ま、また何かあったら呼んでください!」

「じゃ!きり丸、るるるさん!」

二人は姿を消した。

「な、何なんだ・・・」

呆れるきり丸。
隣を見ると、満足そうなるるる。

「他のドクたまにも会いたいな〜」

ため息をつくしかないきり丸だった。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ