望んだ事はB
□市原先生
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「おっ?」
中庭に到着すると、一年は組が集まっていた。
十二人いる。
これが、今のフル人数。
「七瀬」
山田伝蔵がそう呼ぶと、向こうも気付き、柔らかい笑顔を見せた。
「今日は休んでていいぞ?」
「寝すぎで腐りそうです」
ヘムヘム音が響き、整列をする。
向かいに山田先生と市原周平が立った。
「今日から、実技の授業の補助として、市原君が手伝ってくれる」
一瞬、ざわついたが誰も反論はしない。
一年は組も寛容だ。
「市原周平です。
ご迷惑をおかけするかもしれませんが、宜しくお願いします」
意外にまともな挨拶。
『どんだけ、バカにしてるんだ私』
心の中で反省。
真剣に前を向いた。