望んだ事はB
□目が覚めたら
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「ケイタイは?三郎は?兵助は?雷蔵は?・・・いさっくんは?」
最後にその名を言ったのは、珍しくこの部屋に姿がないという違和感と、力を使ったことで怒られるという恐怖心から。
辺りを見回すが、寝ていたのは自分だけのようだ。
「みんなは授業中だよ」
「授業?今日休みだよね・・・?」
その言葉に溜め息をつくるるる。
そして、七瀬の頬っぺたをムニッと摘まむと、
「あんたは、丸一日寝てたの!
心配させないでよね!!!」
最後にビヨーンと引っ張った。
痛い。
「丸一日?そ、そんなに?」
思わず外に目を向ける。
閉められた襖で見えはしないが、この明るさは一日後の昼間ということになるわけだ。
「で、ケイタイはどうなったの?」
三郎達は保健室で手当ては受けたものの、今日の授業に普通に出られるほどだという。
しかし、もう一人が一番気になる。
「それがね、お客さん!」
誰がだとつっこむのは、面倒だからスルー。
るるるもそこはいいらしい。
「ケイタイは・・・市原周平は、やっぱりうちらと同じ世界の人間だったよ」
一難去って、また一難?
そうじゃないといいのだけど。
るるるの顔は、何だか真剣だった。