望んだ事はB
□秋の行事と言えば?
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パーン!パーン!
秋晴れの空に、白い煙。
そして、聞こえてきたのは学園長の挨拶。
「忍術学園 秋の大運動会、始まりじゃっ!」
いろんな事件があったというのに、いきなりですか?
どんな展開ですか?
はい、皆様の言いたい事は、分かっております。
でも、それを一番言いたいのは、
「私ですから!」
「誰に言ってんの?るるる・・・」
「相変わらず、はしょりまくりで説明不足な上に、授業風景皆無に等しいこの小説の貴重な読者の皆様によ!」
なんてね。
ってなわけで、るるるもびっくり学園長の突然の思い付きにより開催に至った、秋の大イベントであります。
ちなみ七瀬の復活の次の日に、教師と各委員会委員長に招集がかかり告げられた。
「二日後に開催じゃ!」
その瞬間から、忍術学園のバタバタは凄まじかった。
今回は文化祭も兼ねており、各委員会は模擬店の出店も命じられている。
ここまで大規模なイベントだから、父兄や来賓の招待も事務員が総出で手配する形となった。
「心配かけちゃったしね」
委員会に属していない七瀬が事務室に入り浸り、ずっと手伝ってくれた。
その時にバツの悪そうな顔でそう言った。
『そういうことかも』
学園長の思い付きには、裏がある。
今回の開催理由は、いろんな事があった学園を、今日のよく晴れた青い空のように、すっきりさせるつもりなのだとるるるは解釈した。
「やるからには、優勝目指すとするか!」
「るるる、ついにやる気になったね!」
二人は視線を合わせると、お互いの拳をコツンと合わせた。