望んだ事はB
□襲撃
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「学園の外・・・結構いるな」
三郎が矢羽根を使い、勘右衛門に伝えた。
寝静まったかのように見える忍術学園。
しかし、今夜は違う。
ウスチャアラレ城の襲撃に備えて、下級生もみんな起きている。
いや、すでに配置されている。
「どうくるか・・・」
三郎が傍で唾を飲み込んだ庄左ヱ門に目を移した瞬間、
『ドカーーンッ!!』
忍術学園が揺れた。
「いきなり仕掛けるのか!」
窓から爆煙を見る。
門の中に宝禄火矢が投げ込まれたようだ。
塀を飛び越える、数人の黒い影。
「三郎、入ったぞ!」
「よし、勘右衛門行こう!」
苦無を取り出し、窓枠に乗り出す。
そして、後ろの後輩たちに向かって、
「いいか、作戦通りに動け!
絶対、姿を現すな!」
そう言い放つと飛び降りた。
「庄左ヱ門!」
「彦四郎・・・だ、大丈夫!」
震えながらも、実戦経験豊富なは組の一員だ。
彦四郎の肩を叩いた。