望んだ事はB
□ハートキャッチ
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「来てください」
牢獄の入り口が開かれた。
魔界之小路先生がるるるを促す。
「きり丸君は、残念だけどここにいてくれ」
不満そうな声をきり丸は挙げたが、るるるは別に逃げるつもりはない。
「すぐ戻るよ」
そう言って、頭を撫でた。
晩御飯を届けに来てくれた山ぶ鬼に、
『市原周平と話がしたいと、魔界之小路先生に伝えて』
と言ったのは少し前のこと。
山ぶ鬼はしっかり伝えてくれていた、魔界之小路先生が迎えに来た。
まさか、すんなり願いが通るとは。
更に檻から出されての面会となるとは。
逆に緊張する。
「周平君に会って、何を話すつもりですか?」
薄暗い通路を歩きながら、質問された。
ただ、普段と変わらない魔界之小路先生の声。
その問いに深い意味はなさそうだ。
「分かりません」
「は?」
サングラスで表情は分からないが、驚いている。
いや、呆れている?
「実は余り話したことないので、話してみたいなと思っただけです。
それに、山ぶ鬼が好き好き光線出すので、ある意味ジェラシーです!」
「ジェラシーって、それは私の台詞ですよ」
ため息にも近い息を吐く。