望んだ事はB

□水軍
1ページ/5ページ

「夏休み以来だね」

海岸線に沿って歩く七瀬とるるる。
そして、乱きりしん。

本日は、魚を貰いに兵庫第三協栄丸さんの元へ向かっている。
例によって、いつもの三人が食堂のおばちゃんに頼まれたのだが、便乗している彼女達。

「顔だけでも、最後に」

るるるが言った。
昨日の土井先生のような事がまた起きると、多分帰るまでに身がもたない。

『あの時会いに来てくれたのは、別れの挨拶だったんだね』

後にそう思われるだけでいい。
今は何となく、そっち派だ。

七瀬の横顔を見る。
相変わらずの空元気。
本人は気づいてないようだが。

別れが辛いのか。
土井先生だったから、辛いのか。
正直、その辺の微妙な気持ちまでは読み取れない。

「ん?」

きり丸が何かに気付いたような声を発した。

「あれって、ドクタケ忍者じゃないか?」

とっさに身を隠したきり丸に皆ならった後に、その言葉を聞いた。

「何でこんなとこに?」

しんべえと七瀬はキョトンとしているが、後の三人は分かっている。

「また水軍か・・・諦めが悪いね」

るるるが呆れている。
それに乱太郎ときり丸が頷く。

「どうする?」

「先生に知らせないといけないな」

「じゃあ、その前に情報入手と行きますか!」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ