望んだ事はB
□水軍
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「夏休み以来だね」
海岸線に沿って歩く七瀬とるるる。
そして、乱きりしん。
本日は、魚を貰いに兵庫第三協栄丸さんの元へ向かっている。
例によって、いつもの三人が食堂のおばちゃんに頼まれたのだが、便乗している彼女達。
「顔だけでも、最後に」
るるるが言った。
昨日の土井先生のような事がまた起きると、多分帰るまでに身がもたない。
『あの時会いに来てくれたのは、別れの挨拶だったんだね』
後にそう思われるだけでいい。
今は何となく、そっち派だ。
七瀬の横顔を見る。
相変わらずの空元気。
本人は気づいてないようだが。
別れが辛いのか。
土井先生だったから、辛いのか。
正直、その辺の微妙な気持ちまでは読み取れない。
「ん?」
きり丸が何かに気付いたような声を発した。
「あれって、ドクタケ忍者じゃないか?」
とっさに身を隠したきり丸に皆ならった後に、その言葉を聞いた。
「何でこんなとこに?」
しんべえと七瀬はキョトンとしているが、後の三人は分かっている。
「また水軍か・・・諦めが悪いね」
るるるが呆れている。
それに乱太郎ときり丸が頷く。
「どうする?」
「先生に知らせないといけないな」
「じゃあ、その前に情報入手と行きますか!」