望んだ事はB
□不安と希望
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くの一長屋。
朝の支度をする七瀬とるるる。
既に着なれた黒い忍装束。
「なんかさ、決めたのはいいけどさ」
「うん?」
鏡を見ながら、るるるが話しかけてきた。
決めたと言うのは、木の上で話した事。
そう、元の世界に帰ること。
「・・・タイミング、難しいね」
「確かに」
「「はあ〜」」
朝っぱらから、深いため息をついた。
いつ帰るのか。
いつ打ち明けるのか。
なんて、言い出せばいいのか。
なんて、締めくくればいいのか。
帰るためには、いろんな事をクリアしていかなければならない。
それを考えただけで、胃が痛くなりそうだ。
「いっそ、ノークリアで・・・駄目だ。
そんなことしたら、余計悔いが残る」
流石のるるるも、今回ばかりは悩んでいる。
「最後に会いたい人も沢山いるね」
七瀬の頭には、今まで出会っていたキャラ、いや人間達が次々と思い出されていた。
兵庫水軍のみんな。
タソガレドキの忍者達。
清八、照星、乱太郎の父ちゃんと母ちゃん。
大木先生、山田先生の奥さん。
そして、利吉。
「会いたいね・・・」