望んだ事はB

□放課後の妄想
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放課後。
七瀬の見つめる先には、一年は組。
そして、

「あれが、例の七瀬の追っかけかい?」

「利吉さん、いらしてたんですか?」

いつものように爽やかな笑顔で挨拶してくれると、隣に並んだ。

「今日も洗濯物ですか?」

「ま、まあね・・・」

苦笑いをしたかと思うと、また一年は組のサッカー風景を見つめた。
いや、恐らく市原周平を見ているのだろう。

「気になりますか?」

七瀬の言葉に再びこちらに顔を向け、

「七瀬は?」

「え?」

反対に聞かれるとは思っていなかった。

「べ、別に」

「ふ〜ん」

「な、何ですか?」

何か気まずい。
話を変えたい。

「今日はお泊まりですか?」

「・・・う〜ん」

「検討中?」

「いや、そうではなくて。
彼が来たから、父の部屋では狭くてね」

確かに野郎四人はきつい。
というより、むさ苦しい。

「では、私の部屋に止まって下さい」

「ええっ!?」

大きな声を出して、狼狽える利吉。
そして、七瀬はため息。

「るるる・・・後ろで私の台詞のように言うな」

「えへっ」

舌を出して、るるるが姿を現した。
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