望んだ事はB
□目が覚めたら
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目が覚めたら、天井が見えた。
あの板模様、知っている。
「・・・何で保健室に?」
布団に寝かされていた。
訳が分からず、飛び起きる。
「七瀬!
大丈夫?気分はどう?」
「るるる・・・私、どうしたの?」
水の入った桶を抱え、保健室の襖を開けた。
安堵の表情を見せる。
「急に倒れたの。
どうしたのって、こっちが聞きたいよ」
「倒れた・・・あ・・・」
甦る記憶。
何時間寝ていたかは分からないが、まだ外は明るい。
夜ではないらしい。
ケイタイと闘って、苦無が当たって、泣かれて・・・。
順々に思い出す。
「そうだ!傷治したんだ・・」
結局、あまりに痛がって泣くもんだから、七瀬の方が罪悪感で居たたまれなくなって折れたのだ。
何故か敵の頭を撫で、あやすようにしてから、肩の傷に口付けをした。
流れ落ちる血にむせかえりながら、傷口が塞がるまで。
痛みが無くなると共に、涙も消えたのか静かになる。
それとも、驚いて言葉にならなかっただけかもしれない。
「あ、ありがとう」
それが聞けた瞬間に、意識が飛んだ。