陰陽寮日記
□風邪をひくと大変です
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『孫ー!!』
夜警も終わり、今日も平和だったと昌浩と物の怪が五条橋を渡り終えたときだった。橋の入り口にある柳の木から雑鬼がふってきた。
さっ……
しかし、今日の昌浩は見事によけた。
「ふはははは!いつまでも潰されたままの俺だと思うなよ!!それから孫いうな!」
昌浩がそう言いながら歓喜にふるえていたとき…
「昌浩後ろっ!!」
物の怪が叫んだが少し遅く、ぼちゃん…と情けない音をたてて昌浩は川に落ちた。
「大丈夫か昌浩っ!」
物の怪がすぐさま紅蓮にもどり昌浩をすくい上げた。
「大丈夫だよ紅蓮。これなら大人しく潰されたほうがよかったね」
そういいながら昌浩はゴホゴホと咳をする。
「わるかったよ孫〜」
「大丈夫か…ごめんな」
雑鬼達も紅蓮が怖いから近づけないが、反省しているようだったし、ここで雑鬼を焼き払うよる昌浩を早く連れ帰りたかった紅蓮は一足飛びで屋敷へもどった。