昌彰小説

□転校生
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「あ!昌浩くんよ!!」

「昌浩くんっ!おはよう」

「昌浩くん、今日の運勢とか占って欲しいな」

「わたしもお願い!」

「うん、いいよ」

ここは京都のある私立の高校。朝から女の子に囲まれている少年は安倍昌浩。
彼の家は代々続く陰陽師の家系で、よく政治家などからも相談を持ちかけられる名のある家だ。
そんな中でも昌浩は抜きん出た才を生まれ持ち、将来は安倍家を継ぐだろうと誰もが噂している。
しかし、女の子が彼をはやし立てる理由はそれだけではない。
昌浩は現在18才。高校三年になり幼さが抜けて、普通の雑誌のモデルなんか裸足で逃げ出す位の美青年に成長した。
加えて、元々の素直で人懐っこさそのままに、勉強も学年上位でそれを鼻にかけることのない性格も彼の素敵要素の一つだ。

そんな彼にまだ彼女がいないと言ったら女の子が騒ぐのはしょうがない。

しかし、当の本人が全くそのことに気付いていないので影で涙を流した女の子も多いとか少ないとか…。
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