short
□溶け合う甘さ
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「綱吉…僕にも味見させて?」
口の中でキャンディーを転がしながらきょとんとする綱吉を引き寄せ、うっすらと開いていた唇に僕の舌を滑り込ませた。
「ん!…ふ、ぅ…」
綱吉の舌の上にあったキャンディーに自分の舌先を押し当てながら、ペロペロと舐めると綱吉も同じように舌を動かし、2人で小さな飴を舐めあった。
苦しくなった綱吉が僕の胸を小さく叩いたから、たっぷりと味わった綱吉の口を解放してやった。
「ぷはっ…雲雀、さん…いきなりなんて、ひどいです!」
「今のも含めてご褒美だよ…」
「もう…」
「さ、帰ろうか」
未だに真っ赤な顔をしたままの綱吉を自分の上からおろして、僕よりも小さな手を引きながら応接室を後にした。
応接室に残ったのは、
紅い日射しと、
甘い甘い、キャンディーの香り。
End