白×黒

□アジト
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挑発的な言葉に逆上したノブナガは鞘を投げ、こちらに向かってくる。


ここで、能力を明かすのは得策ではない。

だからといって、念を使わずに闘うのは正直無理だ。



具現化系と見せかけて武器を出すか?

素手で闘い強化系に見せるか…


それとも……スピードで背後を取り終わらせるか……



ん〜……困った…




そんなことを考えながらひょいひょいと刀を避ける。


スピードは尋常ではない速さだ。

恐らく私の頭は5個くらいに見えるだろう。



キリがないな……壁も迫ってきた



そういえば、昨日は一蹴りで殺してしまったな……強化系かな〜


そうと決まれば後は殺るのみ!!



左から来た刀をしゃがんで避け、足を払い距離を取る。

案の定ノブナガは後ろに飛んだ。


「は!!
でかい口叩いてやったことが足払いか!?

避けてばかりいないで来いよ!!」


ニヤリと笑ったノブナガに私も笑う。


『つまらないわね〜

その程度?
攻撃も一定で、芸がないわ

遊びは終わり

悪いけど、敗けを認めてくれない?
殺したくないのよ…』



そう言い、困ったように眉を下げてみる。


「てめぇ……なめてんじゃねえぞ

死ぬのはてめぇだ!!」


そう言い一直線に向かってくる。


思い通りの反応を示してくれたノブナガに微笑みかけ、待ち構える。


刀を上に上げた時を見計らい、回し蹴りで横腹を狙う。

勿論オーラを溜めて。


あばらが何本かいったような手応えと共に壁まで吹っ飛ぶノブナガを見送り、同じスピードで追いかける。



壁に当たった瞬間に、溝内を殴る。


手加減はしたが、暫く動けないだろう。



クロロもそれがわかったのか、終了の言葉を出した。



「もぅ十分だ

ノブナガ、生きてるか?」


クロロの声に反応するように、瓦礫が動いた。


大きな物を退かし、手を差し出す。
勿論笑顔付きで。


ノブナガは、一瞬驚いた顔をしたが、照れくさそうに手をつかんだ。


引っ張り立たせてやり、誇りを払う。


「…………すまねえ、……な…」


『気にしないで』

そう言い、ノブナガを見上げれば心なしか顔が赤かった。


クロロを見ると、眉間に皺が寄っている。
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