白×黒
□出会い
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古い古い建物の中を地下に向かって歩く。
途中、何人かこちらに向かってきたので殺した。
この屋敷の持ち主は二年ほど前に老死した。
彼が死んだことにあまり興味はないが、彼が持っていた財産に興味がある。
彼、ローレン=グレアは、莫大な財力があると、生きている頃から有名だった。
宝石は勿論、土地や兵器までも持っていた。
その宝石の中でも、格段に価値が違う物があると知り、ここまで来た。
この屋敷の周りは山。
一番近い村と言う名の集落は四山越えなければ無い。
その村の名はポレノ。
交通の便も悪く、賑わう店もない。
その村から小さく見えるこの屋敷は不気味で、使用人以外は立ち入ることはなかった。
今回の目的はルビーとサファイアの二つの宝石。
この二つはセットになっていて、普通のとは価値が違うらしい。
勿論、他の宝はあるが、興味はない。
地下の最深部の倉庫に宝が保管されているらしい。
今丁度その扉の前。
重い扉を開けると、目が眩しくなるほどの様々な宝が保管されていた。
その中でも一際美しく輝く二つの宝石。
他の物よりも厳重に保管されている。
その二つを手に取り、ポケットに入れ、部屋を出ようと思った瞬間、何人かが部屋に入ってきた。
先程から感じていたオーラはこいつら。
絶をしているようだが、私には意味がない。
「先客か…」
落ち着きのある低い声が部屋に響く。
「その手に持っているものを渡してもらおうか?」
『あなたの目的もこれなの?
残念だけど渡せないわ
これ以外の宝なら持っていってくれても構わないけど』
私はそう言いゆっくりと振り返った。
目の前には幻影旅団。
クロロとフィンクス、マチ、ノブナガにシャルナーク、それと知らないやつが三人。
私が知っている彼らより少し若い。
そんなことを考えながら笑みを浮かべる。
「余裕ってか!?
さっさとそれ渡せよ!!
痛い目見るぜ!!!!!」
そう言い私の前に飛び出してきたのは、知らないやつ。
殺す気はなかったが、真っ直ぐ突っ込んでくる奴を飛んで交わし、後頭部を蹴ったら、首が折れた感触がした。
心のなかで舌打ちをし、宝に突っ込んで行く奴を視界の端でとらえる。