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□紅犬の独占欲
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「檜佐木さん!ごめんなさい!」
「え?」
来るのが遅い俺を心配して、わざわざ執務室に迎えに来てくれた檜佐木さんに思いっきり頭を下げた。
「俺の書類にミスがあって…」
「貴様が浮ついているせいであろう」
「…俺から誘ったのにすいません!」
「あ、いや大丈夫だって。そんな謝らなくても」
「っ、本当にすいません」
隊長の嫌みもスルーして檜佐木さんに謝り続けた。
「じゃあ俺は帰るから。書類処理頑張れよ」
「はい!」
ひらひらと特に怒った様子もなく、笑いながら手を振る檜佐木さんに俺は力なく笑い返した。
隊長はと云うと、不機嫌そうな顔をしながら出て行ってしまった。
「…はぁ〜」
長いため息を1つこぼしてから俺は机に向かった。
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深夜、漸く終わった書類を隊長の机に置き、執務室の灯りを消して部屋に戻った。
疲れを取ろうと寝室を素通りして風呂に向かう。
身体を隅々まで洗い流し、ゆっくりと湯船に浸かった。
隊長は一体何を考えてんだろうな
そんなことを悶々と考え、逆上せそうになった為、バスタオルを腰に巻き付け風呂場を後にした。
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