□紅犬の独占欲
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「ん、…あれ?」

「おぉ、やっと起きたか」

目を開けば、檜佐木さんの部屋と思われる天井が映った。

「昨日、俺…」

「乱菊さんが帰った後、お前急に意識飛ばしやがって」

「あぁすんません」

グイっと思いっきり伸びをして、ベッドから起き上がる。

「うぁっイテェ」

ズキンと頭に走る痛み。
どうやら二日酔いみたいだ。

「あんだけ呑めば二日酔いにもなるって。」

「世話になったな、檜佐木さん。俺もう行かなきゃ」

「おー、いつでも相談なら乗ってやるぜ。お大事にな」


ふっと笑う檜佐木さんに見送られながら、俺は六番隊に向かった。



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「恋次、昨夜はどこにいた」

執務室に重い足を踏み入れたと同時に隊長の不機嫌丸出しの声がかかった。

「檜佐木さんの部屋に泊まりました。」

「……」

それだけ告げると、ろくに隊長の顔も見ることなくふいっと顔を逸らし、書類が溜まった机についた。

筆を走らせる隊長からはピリピリとしたオーラが出ていて、不機嫌なのが分かる。

だけど、俺だって二日酔いだからって昨日のこと忘れたわけじゃねえんだからな!

「あ、これは…」

積み重なった書類の中に九番隊の書類が挟まっていた。

檜佐木さんに届けなきゃな。

「この書類、九番隊に届けてきます」

檜佐木さんに会える!

無意識に口元が緩む。
ガタンと立ち上がった俺を隊長が無言で睨んできた。





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