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□約束
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「隊長なんて嫌いだ」
ギロリと憎々しげに睨んだ恋次は私の手を勢いよく振り払い、出て行ってしまった。
それは雨が降りしきる、午後のこと。
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拗ねて出て行ってしまった恋次。
これは、私が折れるしかないのか…
とりあえず力ずくで連れ戻し、向かい合わせに座らせる。
「何も拗ねることもないだろう」
「……」
「恋次、悪かったと言ってるではないか」
「……」
「貴様、」
私の少しだけ上がった霊圧にびくりと肩を揺らした恋次は、渋々ながらにようやく口を開いた。
「分かってるつもりっす」
「…何を」
「貴族の集まりが急に入るのは仕方ないことだって、分かってるつもりっす」
「ならば、」
「でも!それでも今日がよかったんすよ」
「何故、今日に拘るのだ」
「それは…」
口ごもる恋次を急かすことなくただ待っていてやる。
「今日限定のメニューがあったんですよ!」
「な、に…」
「それを隊長と一緒に…って。前から楽しみにしてたのに!」
悲しげに顔を歪ませる恋次に罪悪感が沸き上がる。
それと同時に、ルキアではなく私を誘ってくれた事実に少しだけ嬉しくなった。
「……恋次、すまなかった」
「……」
「近いうち、非番を取って二人で行こう」
「隊長…」
「だから、拗ねるでない」
「…んっ、んんっ」
恋次の唇を優しく塞ぎ、微かに笑みを浮かべた。
「隊長、約束ですよ?」
「うむ、」
「次、約束破ったらもう許しませんから」
そう言って、私に擦り寄ってくる恋次の頭を撫でてやる。
正直、甘味処の限定メニューの為に此処まで拗ねるのは不思議だが、
そんな恋次が可愛いと思ってしまうのは、惚れた弱みと云うやつなのだろう。
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思いついたまま書いたら大変なことに!
自分でも何が書きたかったのか謎です
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