□優先順位
1ページ/2ページ









ことの始まりは、お昼前。

「檜佐木さん、書類届けに来ましたよ」

「おぅ恋次!悪ィな」

「いえいえ」

一枚の書類をにこにこ笑う恋次から手渡しで渡された。

「なあ恋次、」

「はい?なんすか?」

「今夜、俺の部屋に泊まれよ」

「っえ?」


ただの思いつきだった。
にこにこ嬉しそうに笑う恋次を見て、自然な流れで誘ってたんだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー




「檜佐木さん…俺だけど」

「やっと来たか。入れよ」

「うん、」

ゆっくりとした動作で入ってくる恋次は疲れきっているようだ。
こりゃあ朽木隊長にみっちりしごかれたみたいだな。

労るように抱き寄せて俺よりデカい体を包み込んでやる。


「……」

「恋次、」

「……」

「おい?」

「……」

「大丈夫か?」

「え?うん、」

相当疲れてんのか、口数が少なすぎる。
なんだよ、つまんねえなぁ。


「何か欲しいのあるか?」

「うん、」

「何が欲しいんだ?」

「うん、」

「…一緒に風呂入るか?」

「うん、」

「……キスしてもいい?」

「うん、」

「……」

こりゃあヤバいなぁ、
いつもは風呂とか嫌がるくせに頷いちゃってるし。

俺の体にかろうじて収まっている恋次の顔を覗き込めば、瞼がくっつきそうになってる。

「恋次?眠いのか?」

「うん、眠い…」

「布団敷く?」

「…うん、」

「はぁ〜」

仕方ない…か。
ヤる気満々だったんだけどなぁ、なんて。





.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ