2つの世界の御伽噺
□2ページ 能力者と例外者
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道なき道を歩く二人の男女の姿。周りの風景は何も無く、ただ道があるだけである。
空は青く、太陽はまだ高かった。
男の名はイーズ。魔法能力者の一人で、この世界での権威こそ低いものの、実力は未知数。
女の名はフィリア。霊魂(レイコン)能力者であり、前回の話(1ページ参照)で大勢を倒していたのも彼女だ。
この世界は”能力者”が権力を握る、と言ってもおかしくないぐらいの武力国家だった。いくら頭が悪くても、戦い方と力さえあれば一気に大統領になれる。
治安なんて悪いのが当たり前。
正義は悪に倒される。
力が無い人間なんて、すぐに他人と下剋上をくらう。
そんな武力国家であるこの世界において、様々な能力者が存在する。
魔法をあらゆるモノに変えて戦う
”魔法能力者”
名前の通り、霊魂を操り自身の能力にする
”霊魂能力者”
他にも色々とある。
その中で、最も危険かつ最強と呼ばれている能力者を
”能力例外者”
と呼ぶ。
例外者は一般人とは比べモノにならない位の魔力を所持している。しかも、それに似合うだけの魔法も無限大だ。大抵、大統領になるのは例外者だ。それ位強かった。
現在の大統領はウェルト=アルティス。この世界では珍しい女の大統領だった。
でもウェルトはやはり、大統領というのは名ばかりであった。
たまたまこの世界での力が一番強かっただけなのだから。
過去の大統領達もそうだった。政治関係は一切せず、富と権力を使いまくる。
某国王妃のマリー・アントワネットを思い浮かべてほしい。本当にあんな感じである。
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