*浅野家のママはE組の先生*A
□46.名前の時間
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〈木村side〉
病院は嫌いだ。
うちの近所の病院は皆フルネームで呼ぶからだ。
これのせいで…俺の人生苦労が絶えない。
〈木村side終わり〉
少し体調を崩した木村は名前を呼ばれるまで待機中。
そして、受付の人の声が聞こえた。
受「次は…っと木村さーん…」
ここで受付の人の声が途絶えてしまい、少し声が上ずった。
彼の名前をフルネームで呼ぶと周りにいた患者さんたちはみんな名前に反応し、顔を一斉に上げたのである。
そう彼の名前は…
"木村正義"
"まさよし"ではなく"ジャスティス"だ。
 ̄ ̄ ̄。
茅「ジャ…正義(ジャスティス)!?
てっきり正義(マサヨシ)かと思ってた…」
茅野の驚いた声に木村は初めから説明をしていく。
どうやら皆武士の情けで"まさよし"と読んでくれていたようだ。
しかも殺せんせーにも。
菅「最初入学式で聞いた時はビビったよなー」
木「卒業式でまた公開処刑されると思うと嫌ったらねーよ」
木村の両親は警察官らしい。
正義感で舞い上がっちゃって付けられた名前だそうで…彼は両親に自身の思っている不満を伝えると文句を言うなと罵られたそうだ。
木「子供が学校でどんだけからかわれるか考えた事もねーんだろーな」
するとそばにやってきた狭間が黒いオーラを放ちながら…
狭「私なんてこの顔で"綺羅々"よ"きらら"
"きらら"っぽく見えるかしら?」
見えそうにもないです。
狭間の母親はメルヘン脳なのだが気に入らない事があればすぐヒステリックに喚き散らすらしい。
それはそれで大変だなと思っていると狭間の言葉は次々と並べられていく。
狭「そんなストレスかかる家で育って…名前通りに可愛らしく育つわけないのにね」
そう言った直後背後からカルマの気楽な声が聞こえた。
最初からまさかカルマがいるなんて思わなかったらしく、みんなすごく驚いている。