私の王子様

□36話
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和愛を探し出すために廊下を走り続ける不二。
途中でドンッ!!とぶつかっても走り抜ける。


跡「廊下走んじゃ…って不二」


あんなに必死に走るってことは…
何かあったのか…


と何か察する。
でなきゃあんな汗かいて走るわけねぇよな…


跡「まぁ分からないこともねぇけどな…」


そう呟けば樺地を引き連れ自室へ戻った跡部と樺地であった。

不二の走る姿は多くの生徒が目撃している。
和愛がいるであろう部屋へバンッ!!と勢いよく開ければ…


不「和愛!!」


そこには向日と菊丸と宍戸と大石の
四人組だった。
何やら楽しくトランプをしていた。


向「おいおいノックもしないで入んのか」

菊「どうしたのー?不二?」

大「神宮ならここにはいないが?

どうした?」


息を切らして冷静になろうとするが
なれそうにもない。
宍戸も宍戸で不二の顔を見て考え出す。
その様子に不二は尋ねる。


不「何か知っているのかい?」

宍「いや、帰ってきたのは知っているが
その後は知らねぇな…」


彼は本当に何も知らないようだ。
答えてくれたことに感謝をする不二。
急いで探さないと…と焦りを大きくさせてしまう。


菊「和愛に何かあったのかな?」


向「そんなことより続きしよーぜ!」

宍「次こそ負けねぇ…」



5回しても宍戸の勝利は訪れなかったようだ(笑)



***


和愛のことを考えれば考えるほど
自分じゃなくなってしまう…
観月に何か言ってやりたい衝動に駆られる。
遠くには手塚が見えた。


手塚なら何か知っているんじゃないかって…



手「不二何を走っているんだ?」

不「手塚…和愛が…」


人一倍彼女に敏感な手塚は眉を潜め
顔付きが変わる。
不二には負けない想いがあるから…
迷惑をかけることをしたくないと思い
何でもないと答えてしまう…


どこか納得のいかない顔をする手塚だが
そこは敢えて黙って別れた。
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