死神と人間の恋(完結)

□第5話
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ル「おい!その光は!!」


突然の大きな声に
誰もが驚いた。


「私知らない!!」





さすがの本人も驚いていた。







ル(これなら…出来る…!)
ルキアは一護を見てそう確信した。

するとルキアは口を開いた。




ル「家族を…助けたいか?」



一「助ける方法があるのか!?
教えてくれ!!」



身を乗り出した一護に、静かに頷く。



ル「お前の姉の能力を見て確信した…
お前達双子は霊的濃度が高い…


ならば貴様には助けれる方法が
一つある…
いや……
正確には一つしかない…」



ルキアは震える指で傍らの刀を拾い上げた。

虚の血で汚れた刀身を袖で拭い、
切っ先を、一護に向ける。






ル「貴様が…死神になるのだ!!」



一「な…何言ってんだ!
そんなことが…」



ル「出来る!姉が出来るくらいなのだ!

貴様がこの斬魄刀を胸の中心に突き立て…
そこに私が死神の力の半分を注ぎ込むのだ!


そうすれば一時的に力を得、
奴とともに互角に戦えるはずだ!」



白い刀身には、ルキアの姿が映り込んでいる。
多く血を流しすぎたせいか
青白く見えるほど顔色が悪い。


傷口は徐々に治ってきている。


一「そんなことをして…大丈夫なのか?」



ル「…わからん。
勿論貴様の霊的濃度の高さを見込んでの計算だが…



成功率は高くはないし、失敗すれば…」



「死ぬのね」


和愛が口を開く。




ル「あぁ…だが他には方法がないのだ!!
迷っている暇もな!」



ルキアは
一護の胸元へ刀を持って行く。






そしてその刀を握る一護
そして…


一「刀をよこせ死神!
テメェのアイデアにのってやろうじゃねぇか!」



「いっくん…」



和愛は一護の顔を見て微笑んだ。

そう一護の目には迷いはなかった。
ルキアは座ったまま一護を見上げる。




良い目をしていると思った。






ル「死神ではない…






朽木ルキアだ」





一「そうだったな…俺は黒崎一護だ。


これが最後の挨拶にならないように…祈ろうぜ」





「私は黒崎和愛」




ルキアは刀を杖代わりにして立ち上がり、
ゆるゆると刀身を持ち上げた。


黒衣が血を吸って肌に張り付き、
彼女の動きを鈍らせている。


今まで顔を覆って呻いてた虚が
長い舌で傷を舐め、攻撃の隙を伺っていた。




一「虚が来るな…急がないと」

一護はルキアに近づき
細い刀の鍔を掴む。


その姿を
姉・和愛が二人を見守る。


ル「いくぞ…」


一「あぁ」

切っ先を一護の胸の中心に向け、三人は静止する。

それを見てここぞとばかりに
虚はかけだした。




一護は息を止めた。





そして二人を包む白い閃光。
その光から現れた、弾丸のような黒い姿。



眩しさに目を細める虚の左腕を軽々と切り飛ばし、
黒衣をひらめかせて着地する。


路面には切られた腕と傷口を繋ぐように点々と痕が出来た。






そして、






切り落とされた腕の前に立つ
黒衣の者は…






死神となった
黒崎一護だった。
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