ヒミツの花園

□クリスマスプレゼント
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12月24日。
世間ではクリスマスで賑やかだけど…
僕、小関裕太は今大ピンチな状態なのです!
今の状況を簡単に説明しますと…





大好きな人と二人っきりで密室にいます!!
しかも密着状態で!!!!

何故、僕がこんな状態になってるのかと言うと…




それは今から、1週間前の12月17日から話さなければなりません。
その日、僕は天てれの撮影でNHKに来てました。
それで、順調に撮影も終わり、楽屋で皆と色んな話をしてたんだ。

「ちょっと謙二郎!俺のお菓子食わないでよ〜!」
「いいじゃん!そんなケチケチすんなよ遼希〜」

今僕はかなり嫉妬してます。
大好きな遼希くんと謙二郎くんが、かなりラブラブな状態だからです。
僕だって遼希くんとラブラブしたい!!
でも…僕にはそんな勇気ないし…

「裕太、さっきからどうした?」
「へっ?」
「さっきから怖い顔になったり泣きそうな顔になったり…忙しそうだな」

この人は、バーンズ勇気くん。
僕と同じチームで、今年リーダーをしてるカッコイイ先輩。
いつも僕の事を気遣ってくれている…優しい先輩。
僕が遼希くんの事を好きって知ってる人でもあるんだけど…

「なんでも…ないです」
「あぁあ、また遼希と謙二郎イチャついてるよ。いい加減にしろって感じだよなぁ!なぁ裕太!」
「う、うん…そうだね…」

正直、今は勇気くんの話に集中できない。
さっきから遼希くんと謙二郎くんが気になってしょうがないんだよ…
そんな僕に、勇気くんが耳打ちをしてきた。

「裕太も謙二郎みたいに、積極的にやらないと、好きな人…取られちまうぞ?」
「え?!!」

僕は座っていたイスから、思いっきり倒れてしまった。
すると、その場にいた皆の視線が僕に集中した。
僕が照れながら立ち上がろうとすると、誰かが手を差し伸べてくれていた。
勇気くんかな?と思って、僕はその手を掴んだ。

「ありがとう…」
「裕太、大丈夫?」
「うん…って遼希くん!?」

手を差し伸べてくれていた人は、僕の大好きな遼希くんだった。
よく周りを見てみると、他の皆はまた話の続きをしてた。
僕がイスから倒れたぐらいじゃ、そんなに気にならないみたいだ。
でも遼希くんは、別だったみたい…
一番に僕の所へと駆け寄ってくれたみたいだ。

「うん?俺だけど??裕太変だよ?」
「っ!!」

僕は顔が真っ赤になり、手を思い切り放して、遼希くんを突き飛ばしてしまった。
遼希くんはしりもちを着いて、呆然と僕を見てたなぁ…
皆がまた僕の方を見てるし…
僕は恥ずかしくなり、楽屋を飛び出してしまった。

僕は廊下を走り、楽屋から離れた所にあるトイレに駆け込んでいた。
個室に入ると、僕は自然と涙を流していた。
なんで泣いてるのか、僕にもわからない。

恥ずかしすぎて?
遼希くんにヒドイ事しちゃったから?
我慢していた物が、一人になったから出ちゃった?


全部だ…
なんで、あんな事しちゃったんだろう…

「…もう…お終いだよぉ…」

僕…最低だなぁ…
せっかく、遼希くんが手を差し伸べてくれたのに、突き飛ばしちゃうなんて…
もう、遼希くんと顔を合わせる事が出来ないよ…
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