青春 STORY

□幸せな日々
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あの日から、何ヶ月か経った。
クリスマスの日に、俺と謙二郎、そして遼希はずっと一緒にいると約束したんだ。
今日は、俺たちにとって、新しい生活が始まる日だった。

「郁哉〜、さっさと起きろ!」
「もう起きてるから!!」

その日は、何故だか興奮していて、謙二郎に叩き起こされる前に目を覚ましていた。
俺が普通に起きてる事に驚いた謙二郎は、俺を呆然と見ていた。

「…めずらしいな。今日は傘が必要になるかな?」
「なんでだよ?!今日めちゃくちゃ晴れてるっつうの!!」
「お前が起こされる前に起きてるのは、連続で宝くじ1等当てるのと等しい事なんだよ!!」
「ヒドッ!俺ってそんなに駄目駄目かよ!?」
「駄目駄目だろうが!!」

朝から超ハイテンションな感じの、俺と謙二郎。
今考えると、よくやるよな…
俺と謙二郎がそんな言い合いをしていると、いつものように遼希が俺たちの部屋にやってきた。
いつも通り、可愛い笑顔でね!

「おっはよ〜!…って、郁哉くんが起きてる!!」
「お前まで!…遼希ぃ〜…お前だけは違うと思ってたのにぃ…」

そんなミニコントを終了して、俺たちは学校へと向かっていた。
さっきの話に戻るが、今日から俺たちにとって、新しい生活が始まる。
今日から俺と謙二郎は3年に、遼希は2年になるのだ。
そして、今日から新しい1年が入ってくる。
謙二郎の話によると、今日から遼希の部屋に1年が入ってくるらしいんだけど…

「どんな1年が来るんだよ?」
「さぁ…俺は知らねぇよ」
「知らねぇって…お前会長だろ?」
「元だ、元!今日から新しい生徒会長が、俺の代わりをやっていくんだよ!」

俺と謙二郎は、今日から3年。
だから、部活も終了したし、謙二郎は会長を次の奴にバトンタッチした。
でも次の会長ってのが…

「っという事だから、頑張れよ…遼希」
「う〜…僕も部活あるのにぃぃ」

謙二郎に代わる会長は、遼希なのだ。
まぁ、一応投票はされたけど、ほとんど謙二郎が決めたようなもんだ。

「大丈夫。わからない事があったら、俺が教えてやるよ」
「ほんと?謙ちゃん…僕、自信ないよ〜」
「だ〜いじょうぶだって!遼希なら、立派に謙二郎の代わりができるって!それに遼希が会長の方が、学校もちゃんとするだろうし…」

俺がつい本音を言ってしまったのを、謙二郎は見逃さなかった。
すかさず、俺の頭をハリセンで叩いてきた。

スッパァァン!
「いってぇぇぇぇ!!!」
「てめぇ…まるで俺が駄目な会長だったのような言い草だなぁ…」
「別に悪いって言ってねぇじゃん!ただ遼希の方がまともだと…」

スパンスパァァァァン!!
「いってぇぇぇぇ!!」

何故だ…
俺は正直に言っているのに…
遼希も遼希だよ!
謙二郎を止めてくれよ!
俺にとって、お前だけが救いの手なのに…

「今のは郁哉くんが悪いよ〜」
「そ、そんなぁぁ〜!」

俺たち3人が、そんなコントをしているような感じに歩いていると、同じ方向を行く学生たちが笑いながら歩いていた。
中には怖がってる奴もいたな…
学校に着き、俺たちはそれぞれの教室へと向かった。
うちの学校は、クラス変更がないので、今年も謙二郎と同じクラスなんだ。
3年間、こいつと同じクラスか…
ある意味、地獄だな!
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