LOVE STORY

□線香花火
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おぼえてますか?

あの夏の日の夜。

キミと一緒に行った村の夏祭り。

小さな祭りだったけど楽しかったね…

「遼希〜!うち、あれやりたぁい♪」

「いいよ!僕もやりたいと思ってたし♪」

キミとやった金魚すくい…
キミと引いたクジ引き…
キミと食べた一つの林檎飴…

「これめっちゃおいしぃな!」

「だね!」

「なぁ遼希〜、この後やねんけど…」

「ん〜?」

「うちの近所で花火やらん!?」

「う〜ん…もう遅いけど…いいよ!!」

祭りが終って二人だけでやった線香花火…

火花がパチパチと二人の顔だけを明るく照らす。

「キレイやな〜…」

「うん…」

花火をしてる時間はとても、とても短く感じたけれどボクはとても幸せでした。

「あんな…うち、遼希に言いたいことあんねん…」

「…何?」

「うちな…遼希が好きやねん!!」

「え?」

「めっちゃ好きやねん!もぅ遼希しか見えんねん!」

嬉しかった…

本当に、嬉しかった。

二人で祭りに行ったのや花火をやったのもだけど、キミと同じ気持ちだったことが一番嬉しかった…

「僕も…七海が好きだよ」

「ほんま!?」

「ずっと前から、七海だけが好きだったんだ」

涙を流し始めたキミが、そこにいた。

ボクは慌てちゃって、あたふたとしてたっけな…

あれから一年、キミはボクの傍から離れていった…

ボクは待っているよ。

キミがココに戻ってくるのを…

いつまでも…

いつまでも……

キミが戻ってきたらまた一緒に花火をやろうね。

去年の夏にやったあの線香花火を…


END
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