青春 STORY

□幸せな日々
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教室に入ると、皆が俺たちに声を掛けてきて、何人かとバカ話をしていた。
しばらくすると、担任が教室に来て、俺たちは体育館へと移動した。
俺たち3年は、言わば学校の代表のようなもの。
だから、入学式にも何故か参加させられるんだ。
めんどくせぇ…

体育館に入ると、新1年の親が入り口付近に置いてあるパイプ椅子に座っていた。
体育館の隅を見ると、遼希がいるのが見えた。
遼希も俺たちに気付いて、こっちに近づいてきた。

「謙ちゃん、郁哉くん!」
「おぅ遼希〜、どうした?」
「すんごい緊張するよ〜!!」

遼希は新生徒会長だから、挨拶などがあるらしい。
そういえば、去年の入学式も、謙二郎が挨拶してたっけ…
緊張している遼希が、少し泣きそうになっていたので、俺と謙二郎は遼希の頭を掴んで撫でてやった。

「だ〜いじょうぶ!遼希ならやれるって!」
「俺と郁哉もここにいてやるから、安心してやってこい。もし駄目だったら、俺が代わりに挨拶してやるよ」

謙二郎…それは駄目なんじゃねぇのか?
まぁ、俺が会長やってても、多分同じ事を言ってただろうな。
時間がきたので、遼希は自分の席に戻り、俺は寝ようとしていた。
いつものように謙二郎によって起こされる!って思ってたけど、今回は謙二郎とは反対側に座っていた奴が俺を起こしてきた。
しかも、なんだか興奮してるしな!

「なぁ郁哉!」
「ん?なんだよ、っるせぇなぁ…」
「そんな怒るなって!それよりさぁ、お前聞いた?!」
「何を?」
「今年も可愛い子がいるんだって!」

…またかよ?
遼希の時も皆そんな事言ってたよな。
まぁ、遼希は実際可愛いけどなw
っていうか、こいつ等ほんとに好きだな、そういう話…
俺が呆れていると、新1年生の入場が始まっていた。
新1年が体育館に入ってくると、俺たち3年はその可愛い子を探し出した。
俺と謙二郎は、興味がなかったので、適当に拍手をしてダラけていた。

「うわぁぁぁ!やっべぇ、マジ可愛い系じゃん!」
「おい郁哉!お前も見ろよ!」

俺は隣で興奮している奴に、無理矢理後ろを向かされてた。
そしてそいつの指差す方向を見てみた。
そいつの指差した方を見て、俺はかなり驚いた。
何故かっていうと、そいつ等が言うように、本当に可愛い系の子がいたからだ。
ただ…
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