LOVE STORY
□本当の友
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それから僕はあいつの事を忘れようと、努力をした。
別の友達とばっかり遊んで、あいつが家に電話をかけてきても
「いないって言って」
と親に頼んだ。
今考えると、なんて心の狭い人間なんだろうって思う。
約束を守れなかった理由もわかっているので、頭では許していても、心が許せなかった。
それからしばらくして、あいつが僕の目の前に現れた。
何故僕があいつと会ってるかって?
他の友達にハメられたんだよ!!
今日は友達の家で、クリスマスパーティーだって聞いて来たのに…
「久しぶり。やっと会えたな」
「…」
僕は会いたくなかった…
だから目も合わさなかったし、言葉も交わさなかった。
向こうは何度か話しかけてきたけど、僕は無視をしていた。
今更何を話すんだよ?
せっかく忘れようと努力してたのに…
僕はその場に居ずらくなって、逃げるように帰ろうとした。
するとあいつが、僕の腕を掴んできたんだ。
「…放せよ」
「嫌だ。何で話を聞いてくれないんだよ?」
「そんなのわかってるだろ?話したくないんだよ!」
「俺は話したいんだよ!前みたいにやろうぜ!?」
なんだよ、それ…
なんでそんな事言うんだよ…
僕は…もう、お前のいない人生を進もうとしてるのに…
「無理…。お前とはやってけない」
僕は無理矢理腕を振り払い、走って家まで帰った。