長いコトノハ駄文

□千の白珠…前編…
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「…大変だったね、二人とも」
他のクラスメートとも合流し、四月一日と百目鬼はひまわりと並んで歩く。
「…え?」
「…私ね、この子がいるでしょう、だから」
「心配かけてごめんね」
ひまわりはどこまで知っているのかは不明であるが…二人の身に何かが起こったと言う事は察したらしい。

蒲公英が小さな羽を羽ばたかせ、四月一日の目の前にやって来て鼻に軽くキスをした。
「ふふ、蒲公英ったら」
クスクス笑うひまわりの笑顔は…心底可愛いもので。

「あのね…泊まる所が急に変更になって…」
どうも旅行会社の手違いで場所が変わったらしく、大部屋だった部屋が二人づつのツインルームに変更されたらしい。
「…で。四月一日くんと百目鬼くんは一緒の部屋割にしてあるから♪」
キラキラ全開の眩しい笑顔のひまわりが…。
「…ひ、まわりちゃ」
よろよろとひまわりに近づく四月一日に、
「…だって二人とも仲良しさんだもの♪」
「でも…いくら何でも」
「先生方に了解取ったから」
…終わったと四月一日は思った。
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