長いコトノハ駄文

□紅葉のきみへ…番外編…
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女将は顔を上げ悲しげな顔をして話始めた。
「…姉は…祭祀を執り行う巫女的な存在でした。佐伯一族の中でも血を強く引いた力の持ち主だったために…姉が恋に落ちた時一族が引き裂いたのです。…姉はわかってくれました…一族の犠牲に…」
「…そう。でもお姉さんは諦められなかったのね」

「…亡くなる1ヶ月前にその相手の方が会いにいらっしゃって…。姉の事を未だ大切に思っていると…。」

「その方にお知らせはしたかしら…?」
「…先程一条様が」
「…そう…」

「…侑子さん…聞いてもいいですか?」
「…。」

「…何故…そんなに待てるんですか?…何も確かなものはないのに?」


「……ヒトの心は移ろいやすいのが常の世よ。そこで何を確かにするのかはそのヒト次第よ…。」
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