短いコトノハ駄文
□少しの勇気と愛があれば
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そのうち苦しくなったらしく背中を叩いてきた。
仕方なく離す。
「な…んでこん…な」
酸欠のため顔が赤らんで、綺麗なガラスのような瞳からは生理的な涙。
それがどれだけ煽るかこいつは知っているのだろうか?
「嫌だと嫌いだと言うならば拒めよ、俺は」
四月一日にある手をぱっと離す。
「…もう いい」
自分の気持ちが空回りしこれ以上近くにいるとこいつを壊すかもしれない。
冷静なんかじゃない。
いつも感情は激しくて。
ただみえないだけで。
苛々する。
どうにもならない熱の塊が今にも爆発しそうで。
ふわり。
「!?」
背をむけた俺の背中を柔らかい温かいものが…。
それが四月一日の腕と解るのに少々時間がかかったが。