短いコトノハ駄文
□またまた愛妻弁当
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「痛…ッ、すみません」
ぶつかった鼻をおさえ見上げると胴着をつけているので、多分弓道部の誰かであろう。
百目鬼くらいの背丈だろうか?癖だろうか、天パらしい髪をポリポリ掻いている。
「君…四月一日くんだね。ごめんね。痛くなかった?」
「はい…大丈夫です。なんでおれの名前…。」
「…有名だからね。その包みって百目鬼の弁当?」
有名?なんで?
百目鬼の弁当と聞いた女の子たちは一斉にこちらに視線を向ける。
「何〜あの子男の子のくせに差し入れだって」
…ととても痛い視線やら感じるんですけど。
だから嫌だったんだよ。
「こっち」
不意に腕をひっぱられその場を後にする。
そして連れてこられたのは弓道部の部室で。小さいテーブルと椅子が2つ置いてあり、椅子にすわる。
「ごめんね怖い思いさせて…、あの子達百目鬼の熱血ファンでさ〜」
そういいながら先ほどの天パ胴着の人はお茶を入れてくれた。
「ありがとうございます…、あなたは?」
「百目鬼の一こ上の八木といいます。よろしくね四月一日くん」
「八木先輩ですか。どうも」