長いコトノハ駄文
□千の白珠…謎解篇…
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「だーっ!いつまでこのままなんだ!離せ!」
「煩い」
百目鬼に抱き締められ、身動き取れない四月一日。
ジタバタしたところで彼にかなう筈もなく…力つきて、そのたま彼に体を預けるようになる。
「よかったわね〜四月一日♪旦那様とラブラブで」
侑子がニヤニヤしながら近づいてきた。
「もー侑子さん!…何とでもいってください」
四月一日はまだ本調子でないらしい。
「さあて、この場所を清めなくてはね」
懐から椿の花の枝を出す。
そしてやはり透明な珠を椿の枝に充てると、枝は物凄い勢いでみずみずしい葉を茂らせた。
「それ」
椿の茂った枝を振ると…、水滴が飛び散った。
あちこちに降り注ぐように振ると、水が蒸発するように霞になる。
椿の香りが一面に広がっていく。