長いコトノハ駄文

□千の白珠…後編…
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…水の流れる音が聞こえる。
せせらぎの音。
…肌に染み渡る清々しい気は、ほんのり冷たく。

『…ろ』

誰かが、呼び起こそうと…している?

『ひろ…起きて』

痛みの残る頭。
誰かが優しく撫でる。…痛みが弱くなる。
重い瞼を時間をかけて開けると…自分…四月一日は、小川のせせらぎの中に横たわっていた。
「…ここは」
とりあえず起き上がって見回してみる。
…霞がかった、森のような所。

『…君尋』
そう呼ばれ探すが…誰も、人の気配もしない。

「…誰?」

問うてみる。

『…なか…小川 』

足を浸したまま、小川を覗き込むと…。
「君は…君尋?」

姿形は似ているか…違う、君尋。

『でも…タマシイは同じ』

「タマシイが?」

『そう、生きている場所は違うけど…同じタマシイ、君に…』
水の滴る音が聞こえた後、四月一日の足元に浮かび上がる…紺色の小さな巾着。
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